目を向けたら無視できない

アートディレクション活動の一環として

私がアートディレクションで携わっている杉田氏の個展。

12月から入れ替えるアートの部に展示する作品に使用するために、助手としてゴミ拾いに行ってきました。

ゴミを使ったアートを展開したい。

何をしたいのか、という問いに対して、制作するための道筋を見立てたり、それらの事象の為に夢中になって取組む、という行為は、私にとって日常茶飯事なので。

是非やりましょう!!!!!

という事で、お手伝いも二つ返事でさせて頂きました。

私自身は、はっきり言ってそんなに環境問題にデリケートな方ではありませんでした。

全然気にしてないわけではないけれど、いわゆる見て見ぬふりをしている部類の人間だったんだと思います、この日まで。

同行したのは、海に浮かぶ美しい神社

箱島神社でした。

箱島神社 糸島 写真 

快晴だったこともあって、景観抜群。

穏やかな海に浮かぶ離小島に佇む神社は神秘的でとても素晴らしかったです。

しかしその周辺は、地形が関係しているのか、ゴミの漂着物の多い地域だそうで。

大きなゴミから細かいマイクロプラスチックまで、集めても集めてもキリがないくらい沢山のゴミがありました。

 

この目で見て感じる事

ゴミ アート 糸島

私が特にゴミを集めながら考えたのは、ビニール袋をクラゲと間違えて海亀が食べてしまい、そのせいで死んでしまう、という事でした。

環境問題に対しては見て見ぬふりを装ってしまっていた私も、動物愛護の観点からだと、ゴミ問題を真摯に受け止めるようになりました。

人間が自分たちの生きる環境を汚していくエゴのせいで、何の罪もない動物たちが死んでいくのは、とても許されることではないと思います。

 

自然の慈悲と人間の罪

海 箱島神社 糸島 アート

海の生き物も陸の生き物も、自然環境も、みんな人間の作り出したゴミと共存しようとしています。

今回の体験で見たのは、自然物と混ざり合っていくゴミたちの存在でした。

決して自然に還ることのないものたちと自然は共存していて、自分たちの体を傷つけられても否定することなくそれらを受け入れているのだと思うと、人間のエゴの罪深さを感じます。

私たちアーティストにできるのは、これらの感情の啓示なのだと思います。

より多くの人たちとこの思いを共有するために、私たちがいます。

より多くの方に、この思いを届けたい。

環境問題に対する考え方が、大きく変わった貴重な体験でした。

このような貴重な体験の機会を与えてくださった杉田氏に深謝いたします。

   
    大森 かずえ

    1982年、岡山県生まれ。東京学芸大学、卒業。
    画号「大森かずえ」美術家として活動。
    幼少期から、水墨画を描く母の影響を受け、毎日絵を描いて過ごす。
    大学時代は自ら企画運営をし、積極的に個展やグループ展をこなすが、
    24歳の頃、病気治療で記憶を消されて2週間意識不明に陥る。
    また、後遺症で全身に麻痺が残り、一時は絵が全く描けなくなるが、
    とにかく描きたい一心でリハビリを経て、1枚の油絵を制作。
    その絵が第34回近美春季展にて大賞を受賞する。
    画家としては、近代日本美術協会での大賞受賞をはじめ、他受賞歴が多数。
    空をメインとした風景画・肖像画には定評があり、多くのオーダーワークをこなす。
    絵画を生かすためのデザインやディレクションも手がけるマルチプレイヤー。
    その他、書籍の装丁デザインや挿絵イラストも手がける。
    ※病気はすでに完治しています。

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