空の絵、描き方へのこだわり

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空の絵、描き方を考えるとき。

空の絵の描き方、必要な色への考察

昔から幾度となく空の絵を描いてきたが、どうしても腑に落ちない部分があった。

それは何かというと、空の絵を構成する色だ。

どんなに空に似せたグラデーションを描いても、空に見えない。

そこで思い至ったのは、空の絵の描き方の問題ではなく、必要な色が見えていない、という点だ。

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大事なのは「限りなく薄い緑色」だった。

見上げた青空と地平線に近い空との間には、オゾン層の膜がある。

地平線に近くなればなるほど、空の色は暖色に近くなる。

このグラデーションを完成させるのに必要だったのが、「限りなく薄い緑色」だったのだ。

 

空の絵を構成する要素を描き方に落とし込む

空の絵を構成する為に必要な色が見えてからは、驚くほど気持ちよく空の絵を描くことができるようになった。

必要な色が入るだけで、すべての要素が美しく見えるのだ。

空の絵の描き方で重要な要素は、グラデーションと言っても過言ではない。

グラデーションの美しさで、空の絵の魅力の大半が決まると私は思っている。

グラデーションの描き方は様々だが、私は自身の手で混色していくやり方を好んで取り入れている。

4段階ほどの色彩を事前に作り、それらの色を少しずつ混ぜながら、平筆でひたすら何層も塗り進めていく。

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グラデーション制作過程
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空の絵、グラデーションから雲の描写

エアブラシやスプレーを使ってグラデーションを生み出す描き方もあるが、それだと私の求める色の厚みが出ないので、あえてこの描き方にこだわっている。

何層にも重なる美しい青の深み、空の絵を描いているだけで自身が癒される。

 

空の絵の描き方に決まりはない。

表現したい方法で空の絵を描くのが描き方の基本

空の絵を描くにも、その時その時や人によって使いたい画材や描き方など、みんな違って当たり前だと思う。

リアルな空が描ければそれが正解というわけでもない。

春先の空を見上げると、たまに「まるで誰かの落書きのような空だな」と思うことがある。

リアルな空ですら、時に誰かの描いた空の絵のように見えることがあるのだから、ただ青く塗ったキャンバスでも、グラデーションのない青一色の画面でも、素敵な空に感じる事もあるのだ。

かくいう私自身が、ここまでこだわりを語っていながら描き方は様々なのだ。

 

空の絵という虚像を描く、その描き方

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窓ガラスに映る空も美しく感じる事がある。

空の絵だけに留まらず、絵画でどんなに似せて描いても、それはあくまで虚像である。

空を見上げて美しいと思う気持ちと、空の絵を見て美しいと思う気持ちは、似て非なるものだ。

それは空しい事でも悲しい事でもない。

つまり言いたいのは、「空を似せて描く必要はない」という事だ。

写実にこだわりすぎる必要はなく(もちろん写実で表現する事が悪いわけでもない)、思うがままに空の絵を描くことが、一番素敵な表現ができる描き方だと思う。

こだわりも固定概念もあっていいが、それに縛られず自由に描けばいい。

これは、これから先の自分に対する言葉でもある。

 

こんな私の「空の絵の描き方」をもっと知りたい方がいれば、いつでもレクチャーいたします。

どうぞお気軽にお問い合わせください^^

   
    大森 かずえ

    1982年、岡山県生まれ。東京学芸大学、卒業。
    画号「大森かずえ」美術家として活動。
    幼少期から、水墨画を描く母の影響を受け、毎日絵を描いて過ごす。
    大学時代は自ら企画運営をし、積極的に個展やグループ展をこなすが、
    24歳の頃、病気治療で記憶を消されて2週間意識不明に陥る。
    また、後遺症で全身に麻痺が残り、一時は絵が全く描けなくなるが、
    とにかく描きたい一心でリハビリを経て、1枚の油絵を制作。
    その絵が第34回近美春季展にて大賞を受賞する。
    画家としては、近代日本美術協会での大賞受賞をはじめ、他受賞歴が多数。
    空をメインとした風景画・肖像画には定評があり、多くのオーダーワークをこなす。
    絵画を生かすためのデザインやディレクションも手がけるマルチプレイヤー。
    その他、書籍の装丁デザインや挿絵イラストも手がける。
    ※病気はすでに完治しています。

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